「メーカーの品番が変わったので、図面の中の表記を全部直してもらえますか」
先日、こんなご依頼をいただきました。1枚の図面の中に、同じ品番が20か所以上。画面を拡大しながら目で探して、1つずつダブルクリックして直す——Jw_cadを使っている方なら、一度はやったことがある作業ではないでしょうか。
実はJw_cadには、図面の中の文字を探す・数える・まとめて直すための機能が最初から入っています。追加のソフトも外部変形も要りません。
ただ、どれもボタンの名前からは想像しにくい場所にあるので、知らないまま使っている方が多い機能です。この記事では、その3つを順番に紹介します。
文字を探す・数える機能は、「範囲選択」コマンドで文字を囲んだあとに、コントロールバー(画面上部の横長の帯)に出てくる「文字位置・集計」というボタンの中にあります。
ここで1つだけ、大事な操作のクセがあります。
「文字検索をしたのに0件」というときは、たいていこれが原因です。囲み終わりは右クリック、と覚えておいてください。
図面の中から、特定の文字を含むものだけを選び出す機能です。
見つかった文字だけが選択色に変わり、画面の右上に件数が出ます。「この品番は図面の中に何か所あるか」が、ひと目で分かります。
このまま「移動」や「属性変更」をすれば、見つかった文字だけをまとめて動かしたり、色やレイヤを変えたりもできます。
同じ「文字位置・集計」の中に、「集計書込」というボタンがあります。
これは、選んだ文字に含まれる数値を集計して、その結果を図面に書き込む機能です。部屋ごとの面積や、部材の数量を拾って合計を出したいときに使えます。
電卓で足し算をして、打ち間違えて、もう一度足し直す——という手間がなくなります。図面の数字をそのまま使うので、写し間違いが起きません。
冒頭のご依頼のような一括置換は、「文字」コマンドの中にある機能で行います。図面の文字をいったんメモ帳に書き出して、メモ帳の「置換」で直し、図面に戻すという仕組みです。
メモ帳を閉じた瞬間に、図面の文字がまとめて書き換わります。20か所の品番も、数秒で終わります。
使うエディタは、「設定」→「基本設定」の「一般(1)」タブで変えられます。はじめはメモ帳(NOTEPAD)になっています。
便利な反面、まとめて書き換わるぶん、失敗もまとめて起きます。次の3つだけ守ってください。
1つめ。作業の前に図面を別名で保存しておく。
元に戻す(Undo)も効きますが、途中で上書き保存してしまうと戻れません。「品番変更前」のような名前でコピーを1つ残しておくのがいちばん確実です。
2つめ。メモ帳で行を足したり消したりしない。
メモ帳の1行が、図面の文字1つに対応しています。直すのは行の中身だけにして、行の数は変えないほうが安全です。改行や行間の調整もメモ帳ではうまくいかないので、位置の微調整は図面に戻ってから「文字」の移動で行います。
3つめ。置換する文字は「長め」に指定する。
たとえば「W900」を「W800」に直すつもりで「900」だけを置換すると、高さの「H900」や寸法の「1900」まで変わってしまいます。置換の前に「文字検索」で件数を見ておき、置換後の件数と見比べると安心です。
検索や置換で、なぜか一部の文字だけ対象にならないことがあります。原因はだいたい次のどれかです。
とくに、メーカーの部品図や他社から受け取った図面はブロックになっていることが多いので、「全部直したはずなのに残っている」ときは真っ先に疑ってください。
私達の現場でも、「この品番、どこで使ったっけ」という場面は毎日のようにあります。
1枚の図面の中なら、今日ご紹介した文字検索で十分です。ところが、過去の物件の図面を何百枚もさかのぼって探すとなると、1枚ずつ開いて検索していてはとても追いつきません。
そこで私達は、図面ファイルの中の文字を抜き出して一覧にし、まとめて検索できる仕組みを社内で使っています。「この金物は去年のあの現場でも使っていた」「この品番は初めて使う」といったことが、図面を開かずに分かるようになりました。
こうした工夫ができるのも、図面が「文字として読めるCADデータ」になっているからです。紙やPDFのままの図面は、文字を検索することができません。
古い紙図面やPDF図面のCADデータ化、手描き図面のトレースは、私達が日常的にお引き受けしている仕事です。お気軽にご相談ください。